複数の銘柄を持っていないと長期投資は難しい 【AAPLの例】
前回の投稿で、良い銘柄を見つけて長期間ホールドするのが成功への王道ということを書きましたが、長期間ホールドというのは言うよりも案外難しいのです。
たとえば皆さんが大好きな米国株の銘柄アップル (AAPL) を見てみましょう。
1984年12月の株価は$0.11でした。
そしてこれを書いている今は$181.17。すごい伸び率です。40年間で実に1647倍。
1984年に$100 (約1万円) 買っていれば今は$164700 (約16470000円) になっています。羨ましいですね!
1984年とまで言わなくても2004年12月で$1.60、2014年12月でも$32.12
その時に買っていれば〜、というのが "たられば" ですね!
では、仮に今から20年前の2004年12月に$1.60で買えたとしましょう。
今だから言える素晴らしい決断!
さっそく拡大チャートを見てみましょう。
2004年12月に$1.60で買った3年後の2007年12月24日の時点で$7.14の高値をつけた後
2008年2月18日$4.27まで下がっています。
長期投資の難しいのはこういうところです。
2004年12月に$1.60で買ったとして2007年12月24日の$7.14までたった3年でなんと4.46倍!
$1.60で買った人、3年間で4倍にもなったらもうこの辺で満足などと言ってこの間に売ってしまったのではないでしょうか?長期保有を謳っていたのに。
それでも売らなかった人、すごいです!
でも
この後のリーマンショックで$4.27まで下がりました。
高値から40パーセントも下げた時に持ち続けられたでしょうか?
一旦は4.46倍にもなった株です。
決断は難しかったのではないでしょうか。
ホールドできた人、本当にすごいです。
そしてこの後少し値を戻した後2009年には再び株価が下がり$3付近まで下落しました。
どうでしょう。$1.60で買ってもこの時まだ持ち続けられたでしょうか?
一旦は4.46倍にもなった株です。
耐え抜いてホールドした人、本当にすごい胆力です。
長期投資家の鑑です。そういう投資家は現在報われていますね。
その後は皆さんご存知のように株価大上昇です。
リーマンショックからこんなに上がりました!
さて、ここで質問です。
AAPLは今後も3年間で4倍も上昇するのでしょうか?
それともどこまでも落ちてしまうのでしょうか?
今売るべきでしょうか?持ち続けるべきでしょうか?
長期投資の難しいのはこういうことですね。
外からのノイズもあれば自分の中からのノイズ(これが意外とうるさい)もあります。
それをいかに抑え込むか、または無視するか。
それには自分なりの投資哲学が必要になってくるのではないでしょうか。
いかがだったでしょうか?
今となってみれば簡単に見える登り一本調子のAAPLのチャートもその渦中にいる時はうねりの激しいジェットコースターのようなものです。
もし自分が自己資金全てをAAPLに投資していたら恐ろしくてこの大暴落でパニック売りしてしまったかもしれませんが、AAPL投資が自分の資金の1/10だったら狼狽売りせずに持ちこたえられたかもしれません。
一つの銘柄だけに集中投資するのも資金が小さいうちの短期トレード等には良いですが、資金が大きくなってくると大きく減らさないためにも分散が必要になってきますね。
分散することによってある一つの銘柄が暴落しても他の銘柄が頑張っていれば耐えきれるものです。
いわゆる"卵は一つのかごに盛るな"と言う昔からの格言ですね。
- ただし、リーマンショックなどの暴落時には例外なく全ての銘柄が暴落するということも覚えておかなければいけません。
- リーマンショックはとんでもない出来事だったのでこの例に使った暴落率は少し過激すぎるかもしれませんが、これを体験した人間としてはこういう大暴落がいつ来るかもしれないという気持ちで臨んでいます。