S&P500【1928年からのチャートを眺めてみた】
今日はS&P500の長期チャートを眺めてみました。
Yahoo Canadaのファイナンスで見られるチャートは1928年から始まっていたので1928年からのチャートを載せてみました。
20年単位のチャートを載せているのはYahoo Canadaのファイナンスで見られるのは20年が最長だったからという理由です。
ただ単に1928年から20年単位に区切ったチャートですが眺めてみると色々見えてきておもしろいですね。
セミリ太郎が思ったことを勝手な解釈を付けて以下に書いてみました。
1928-1948
世界恐慌とその後の耐え忍ぶ25年間
【事実】
1929年9/16につけた高値 $31.86から1932年2/10 $7.50まで暴落。株価は4分の1以下に。
1954年9/22に$32.00を付けて1929年に付けた高値を回復するまで25年もかかりました。
【投資家がやるべきだったこと】
株価だけ見れば1929年の高値を更新するのに25年もかかりましたが、その低迷している間に追加投資、配当再投資などをしていた長期投資家はもし1929年の高値で買っていたとしても、もっと早く25年もかからずに元本を回復できていたばかりでなく絶好の安値の買い場で資金を更に増やせた。(時代背景も違うから追加投資ができた人がどのくらいいたのかは分かりませんが)
1948-1968
世界恐慌からの回復期
【事実】
1929年に$30台の高値で買ってしまった投資家も25年間耐えれば元本回復、35年間耐えれば元本が2倍以上、40年間耐えれば3倍以上、長期投資家が報われました。
【投資家がやるべきだったこと】
25年間も自分の投資資金がマイナスだったらどれほどの精神的な苦痛があったのか。市場から退場してもう二度と株などやらないと誓った投資家も多いかと思います。
しかし、寒い冬の後には必ず春が来るように恐慌を耐えて追加投資した投資家はその次の20年で報われたのは確かです。(時代背景も違うから追加投資ができた人がどのくらいいたのかは分かりませんが)
1968-1988
意外と辛いのは横に動く相場
【事実】
1968年から1980年は株が横に動く相場ですね。
【投資家がやるべきだったこと】
横に動く相場はデイトレーダーやスイングトレーダーにとっては日々の数%を取りに行けばいいので問題ないかもしれませんが、長期投資家にとってはなかなか辛いですね。長期が報われない感じがしますよね。
しかし株価に関しては報われないと言ってもこの横横相場は実は安値で買い場ということもあるので長い時間かけて安値で仕込む事ができるチャンスですね。
しかし10年間も横に動く相場はなかなか辛いものがあります。しかも横に動く相場と言ってもその間に結構な下げも見られます。忍耐力が試される辛い時期だったのではないでしょうか。
米国株が必ずしも上げ相場一辺倒ではなく時期によっては横に動く相場もあるということも知っておく必要があります。
1988-2008
上げ相場のドットコムバブルとリーマンショック前夜までのダブルトップ
【事実】
1980年に$100だった株価は2000年9/1に$1530をつけるまで20年間で15倍になりました。
20年間で15倍にもなったけれどその間にいくつかの下げもあり。たとえば
1987年8/25 $337.89だった株価は
1987年12/4 $221.24と34.52%も下げました。
1989年7/26には$338.05となり約2年で高値再更新できたのは幸いです
そしてそのあと2000年まではいくつかの調整を経ながら基本上げ相場=ドットコムバブル
2000年9/30 $1530.09の最高値から
2002年10/9 $775.08とドットコムバブル崩壊では株価が約半分になった!
その後リーマンショック前夜まで再び上げ相場
そして
2007年10/11 $1576.09の最高値から
2009年3/6 $666.79とリーマンショックでは株価が半分以下になった!
今思えばキレイなダブルトップ。
【投資家がやるべきだったこと】
ドットコムバブルが弾けるまでの20年間で15倍になったというけどその間ホールドを決め込むのは実に難しい。
その間のいくつかの調整や暴落ををうまく攻略、もしくはガン無視、投資家それぞれ色々な戦い方があると思いますが長期投資家が報われたのは確か。
しかしその後のドットコムバブルの崩壊で高値から半分に。
そして今度はリーマンショックで再び高値から半分に。
現在2024年にS&P500が$5000を上回っているのを見ると長期投資がどれだけ報われているのか良く分かりますが、これらの数々の株価半分攻撃をもろに食らうことになる長期投資というのは楽ではないですね。実に大変です。忍耐に忍耐に忍耐ですね。
しかしこれらの暴落はめったにない株のバーゲンセール。
この時にどれだけたくさん株を仕込めたかによって後の上げ相場の恵みをどれだけ得られるかが変わってきます。
とはいうものの半額セールの時はブレない哲学と強靭な精神力が必要なのは確かですね。
2008-2024, 3/17
リーマンショックからの回復、上げ相場、コロナショック
【事実】
リーマンショック後の10年に渡る上げ相場。
株価が上がれば上がるほど昔の巨大な暴落でさえもちょっとしたさざ波のよう。
リーマンショックでさえこのチャートでは単なる小さな凹みのように見えます。
米国株がどれだけ上げてきたのかが分かります。
また2020年のコロナショックの時はまるで世界の終わりのように感じましたがチャートを見ればこの通り、S&P500はいつものように上値を更新しています。
【投資家がやるべきだったこと】
コロナショックを含め、暴落時は世界の終わりのように感じて今回こそは米国株ももう駄目かもしれないと感じるものですが、過去のチャートを見るとそうではないことが分かります。
自分のできる範囲で資金を投入し、できる範囲で追加投資していく、暴落時はできればさらなる追加投資をすると後になってみてあれは成功だったなと実感できるのではないでしょうか。
【終わりに】
ここに書いたことは今チャートを見たからあれこれ言える事実。
20年の期間もどこからどこを切り取るかでまた見える景色が違うのも事実。
でもこうしてチャートを通して歴史を見れば見るほど何か新しい発見がある。
自分では自分に都合の良い発見しかできないかもしれないから
著名投資家の本や他の人の記事なども読んで違う角度から研究してみるとまた新たな発見があるかもしれませんね。